特許・知財実務が身につくオススメ本・コンテンツ集

実務経験はないけれど、知財に関わる仕事に興味がある。 新たに知財部に配属されたので、効率的に実務を学びたい。 いざ「勉強を始めよう!」と思った初学者がぶつかる壁、それは 「知財実務の本やコンテンツってたくさんあるけど、何から手を付けたら良いのかわからない……」という問題。 情報過多な世の中ですが、1から知財実務を勉強したい人向けの情報って、案外探しても見つからないですよね。 そこで、このページでは、知財塾運営チームで選んだ初学者向けのオススメ書籍や、無料で学べるコンテンツをご紹介します! また、知財塾で制作した 超初級・知財実務家向け解説動画特設ページ では、動画で初級の内容を学べます。 ぜひこちらもご覧いただき、日々の学習にお役立てください!

オススメ書籍

先行技術調査スキル

特許調査入門 第三版

酒井美里 / 発明推進協会

無料の公報データベース「J-PlatPat」を用いた特許調査の入門書です。特許調査についての基礎知識を学びたい、という方にオススメです。 学生や企業向けのセミナー講師を多数務められている酒井美里氏の著書であり、調査ノウハウがわかりやすく体系的に説明されています。 初学者だけでなく、実務家にも広く支持されている一冊です。

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特許情報調査と検索テクニック入門

野崎篤志 / 発明推進協会

特許調査の実践的なスキルである、検索式や母集団作成のスキルを習得することができる入門書です。 海外特許データベースの紹介やパテントファミリー調査の方法など、実務未経験者が「つまづきやすい」内容もしっかりと解説されています。 調査方法だけでなく、広報の読み方や調査のまとめ方のノウハウも紹介されており、特許調査の実務を網羅的に理解したい方にオススメです。

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明細書作成スキル

競争力を高める機械系特許明細書の書き方

特許業務法人志賀国際特許事務所 知財実務シリーズ出版委員会・編 / 発明推進協会

明細書を全く書いたことがなかった時期に、読んで「一番わかりやすい」と感じたのがこの本です。 オススメのポイントは、「構造の発明をどのように理解し、クレームを作成するのか」という理論から始まることで、明細書作成の土台から理解することができます。 また、様々な事例を用いた明細書の例が豊富に載っており、自分の担当案件と似たような事例を探して辞書的に参照することもできます。 機械系が専門でない方でも、実務初心者の方すべてに参考となる1冊です。

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改訂9版 特許明細書の書き方

伊東忠彦, 伊東忠重・監修 伊東国際特許事務所・編 / 経済産業調査会

特許庁の審査基準に基づき、明細書の書き方を解説した教科書的な本です。明細書を構成する各欄にはどんな内容を記載すべきか、基礎となる知識を得ることができます。 特殊な出願(国内優先権を主張した出願・分割出願など)や中間処理、審判制度についても概説されているため、特許制度全般について学びたい方にもオススメです。 また、明細書の記載に関する判決例や、権利行使に関する判決例の記載も充実しており、明細書を作成する際の注意点を広く把握できます。

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特許翻訳・英語スキル

特許翻訳者のための米国特許クレーム作成マニュアル

大島祥貴 / 講談社

米国特許クレームを作成するにあたり、翻訳の観点だけでなく、米国特許を有効活用できるような実務の観点も盛り込んだ一冊です。 日本語クレームを英訳する中でのノウハウや注意点を99のポイントに分解して解説しているため、ステップ・バイ・ステップ形式で読み進めることができます。 翻訳者のみでなく、米国特許に携わる全ての方にオススメです。

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中間応答スキル

進歩性欠如の拒絶理由通知への対応ノウハウ

高橋政治 / 経済産業調査会

特許の拒絶理由通知の多くは「進歩性欠如」を理由としますが、審査官の判断を覆すためには説得力がある意見書を書く必要があります。 本書は審査官が拒絶理由を通知するロジックを解説し、その上で、審査官にとって「説得的な」反論のポイントをいくつも学ぶことができます。 初学者向けの入門書としてだけでなく、拒絶理由通知が来た際に参照する実務書として、弁理士・知財部員から広く支持を得ている一冊です。 【2021/6/15 追記】 高橋先生のWEBサイト『知財実務情報Lab.』にて、本書籍(改訂版)のPDF版が無料ダウンロード可能となりました! 書籍版は現在Amazonで購入可能ではあるものの、絶版のため価格が高額となっております。 以下のリンク先から氏名とメールアドレスを登録することで入手可能ですので、ぜひそちらをご利用ください。

知財実務情報Lab. WEBサイトはこちら

特許出願 新・拒絶理由通知との対話 第2版

稲葉 慶和, 鈴木 伸夫 / エイバックズーム

出版から年数が経っているため、最新の審査基準には対応しておりませんが、複数の先輩から「拒絶理由通知への応答で基本となる考え方が学べるから、読んだ方がいい」と勧められた本です。 ストーリー仕立ての章があり、また文章も語り口調で書かれているので、専門的なテーマですがスラスラと読むことができます。 代表的な拒絶理由に対する応答の型が説明されている点も、初学者にとってはありがたいポイントです。

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商標調査・権利化スキル

商標審査基準〔改訂 第15版〕

特許庁編 / 発明推進協会

タイトルからは「固そう、読みにくそう」と感じられるかもしれませんが、実際は約170Pと分厚くなく、登録できない一般名称の例、称呼同士が類似と判断される例など具体例が満載で、初学者でも読みやすい本です。 何より、特許庁の審査が本書を参照して行われるために実務では最重要であり、まずは本書の内容を理解することが商標実務の第一歩となります。 特許庁ホームページでも無料公開されていますが、書籍版を入手し、折に触れて参照することをお勧めします。

発明推進協会購入ページ

競争力を高める商標実務出願から権利の活用まで

特許業務法人志賀国際特許事務所 知財実務シリーズ出版委員会・編 / 発明推進協会

商標実務は、出願前の調査、指定商品・役務の選定、文字・図形の選択、拒絶応答に対する意見書の作成、不使用取消審判、情報提供、第三者とのライセンス、外国出願など多岐に渡ります。本書は商標実務で一般に起こる手続・論点を一通りまとめ、注意点を解説しています。 1つ1つの項目の解説はそれほど厚くないため、個別の論点を掘り下げる際は、さらに別の書籍や講師による学習が必要になりそうですが、商標実務を概観するために有効な一冊です。

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無料で学べるWebコンテンツ

特許の楽校

特許の楽校は、日本一「楽」しく特許を学べる学「校」をコンセプトに、初心者が特許の知識を学ぶために役立つ情報発信をしているWEBサイトです。 会話形式のストーリーを読み進めることで、特許の基礎知識を気軽に習得することができるのが特徴です。 イラストや図解も多く、実務が未経験の方でも理解しやすい設計がされています。 文房具メーカーの若手研究開発部員である、主人公の成長ストーリーという読み物として楽しむこともできます。

特許の楽校 WEBサイトはこちら

知財実務オンライン YouTubeチャンネル

毎週木曜日 18:30〜20:00 に、知財実務の第一線で活躍されているゲストを招いてトークライブを行う YouTube チャンネルです。 視聴者からのリアルタイムで質問にも答える「相互」スタイルのウェビナーなので、生きた実務の情報を得ることができます。知財業界に興味をお持ちの方が、業界研究をするのにもオススメです。 様々な分野のゲストが登壇した過去のアーカイブ動画も豊富で、公式サイトでは分野別などで知りたい情報を検索することも可能です。

公式サイトはこちら

弁護士高石秀樹の特許チャンネル

弁護士・弁理士・米国 California 州弁護士であり、実務家に広く支持されている『特許裁判例辞典』の著者である高石秀樹先生の YouTube チャンネルです。 高石先生の20年間にわたる特許侵害訴訟・特許審決取消訴訟の経験に基づいて、知財実務に役に立つ情報を提供されています。正直、無料で見られることに驚く程に有意義なコンテンツです。 再生リストが難易度順となっているので、初学者の方には再生リストの初めから視聴されることをオススメします。

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Toreru Media: これでわかる商標登録

知財塾 商標権利化ゼミのファシリテーターも務められた、Toreru の土野弁理士が編集長の「知財を身近にする」ウェブメディアです。 毎週更新で、インタビュー、ブランディング、商標戦略などのバラエティ豊かな記事が掲載されています。特に「これでわかる商標登録」シリーズは、商標の区分、ロゴと文字商標の違い、登録のメリットなど、実務の解説記事が充実しています。

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Yuroocle

知財に関する情報を発信する方々で構成されるボランタリーチェーンです。 加盟者のコンテンツがカテゴリー別にデータベースでまとまっているため、初学者にオススメな記事や動画にもアクセスしやすくなっています。 今後どんどん情報が蓄積されていくと思われるので、定期的なチェックをオススメします。

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